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2018年11月27日

パーキンソン病とiPS細胞 長命に朗報??

パーキンソン病で亡くなったお檀家がおいででした。キリッと若草色のお着物をおめしになった遺影でした。とても、おきれいでした。診断時から、病名を住職は教えて頂いていました。「症状に効果のある薬があるので当分は大丈夫です。楽しいことを重ねておいて下さい」とお話をしていました。亡くなったのは80歳代の半ばでした。葬儀の中の諷誦文(ふじゅもん、仏教的な追悼文・平成30年8月28日記事)では、たくさんのお子様をお育てになった故人の人生を平易な言葉で称賛しました。

実は、パーキンソン病の患者はかなり多いです。高齢者では100人に1人です。脳の黒質という部分の神経細胞が死んでしまい細胞の作るドーパミンという物質がなくなり症状がでます。黒質は正常では、文字通り黒く見えます(脳をカットした時)。しかし、患者では灰色に見えます。顕微鏡で見ると、この黒質の神経細胞は黒い色素を持っていますが、患者では黒質や自律神経などの神経細胞の中にレヴィー小体(写真)という物質ができて壊れた細胞も見え、色素がなくなっています。患者は小刻み歩行が特徴的です。予防法は知られていません。

ところで、最近、iPS細胞(平成24年・2012年ノーベル賞受賞者山中伸弥教授が作製)から作った若い神経細胞を、患者の脳に移植する治験(患者に使用する臨床の試験)が始まりました。しかし、神経細胞が死ぬメカニズムはわかっていませんから、神経細胞を補充しても、多分補充された細胞の減少も起きると思います。

パーキンソン病患者の自立神経のレヴィー小体(脳ではありません) この後、細胞が壊れます 私の著書から

レヴィー小体(自立神経) 細胞の中で紫色に見えています 矢頭の先の←の長さよりやや短い距離のところです この後細胞が壊れます 私の著書から

人類はさらに長生きになりそうです。しかし、長生きの結果、高齢者の医療費や介護費で、国家の財政が破たんするという人が多いです。特に、病気のまま過ごす期間が延長されるだけでは。

最近、70歳以上でもお働きのお檀家が多いです。もちろん、健康状態の許す範囲ですが。長生きのために備えているのでしょうか。私はとてもよいことであると考えています。外出には、認知症の予防効果があると言われています。

釈尊(お釈迦様・ブッダ)は、80歳で涅槃(ねはん)を迎えました。その前に引退していたとは聞きませんね(釈尊の引退!ありえませんね!!)。だいたい、釈尊の時代に引退という言葉があったのでしょうか?何とか釈尊の涅槃のお歳、80歳まで健康で平穏に過ごしたいですね。


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