京都大学の本庶佑先生がノーベル医学生理学賞を受賞されました。素晴らしいです。
がん治療の世界で画期的な「免疫チェックポイント阻害剤」の基礎となる現象を発見しました。「免疫チェックポイント阻害剤」により悪性黒色腫(皮膚の悪性度の高いがん)などが完全寛解するようになりました。
最近、医学関係の学会や研究会に出かけることが少なくなりました。知識欲が減退しています。進歩を知りたいと思わなくなりました。さすがに、年齢を考える毎日です。古来から言われている「少欲知足」ではなく、単なる「老化現象?」ですね。
ところで、財産や権力に対する欲望と、知識欲は異なっていると思います。仏教では、人に害を与えるための知識を得ることなく、人の役に立たない知識を避けることや、膨大な知識があることよりも、知識は少なくても、それを実践することにこそ、意義があると考えられていると思います。つまり「利他」のための知識をすすめています。以上の考えは、釈尊(お釈迦様・ブッダ)の初期の経典・物語などにも、多くあると思います。本庶先生のお話・インタビューをお聞きしますと、利他の精神があふれています。
最近のネットの中には、人を害する知識がかなりあります。これは残念ですね。
住職の身近な職業である医師や看護師などが学会・勉強会など(非常に多いです)に参加して学ぶことは、よりよい診断・治療や看護のためです。まさにこの考えの範囲、実践のための知識であり(利他)、仏教のすすめる知識であると思います。利他のための知識欲は、「大欲」でよいですね。清らかで大きな欲を持ちなさい(大欲得清浄、理趣経)でしょうか?
機会をみて、医師や看護師の給与や手当てについて書きます。