前回(2月12日)の投稿では「スリランカ!で思いだすことが、三つあります」と書きました。二つまで書きましたね。以下が最後の一つです。
実は、スリランカ人が献眼した角膜は、多くの日本人に移植されています。たとえば、前回の投稿の中のジャヤワルダナ氏(元スリランカ大統領)の死後には、彼の遺言により、片目はスリランカ人に、もう一方の角膜は、日本人!に移植されています。
また、スリランカ人が献眼した数千の角膜は、日本人に贈られています。これは、「一眼を献ずるものは成仏できる」とする「釈尊の物語」(ジャータカ・釈尊の前世のお話)に拠っています。釈尊が前世において、自らの眼を他者に与えた物語があります。このために、釈尊と釈尊の教えに近づくために、スリランカの仏教者の間では、献眼することが行われています。ジャヤワルダナ氏はクリスチャンから仏教徒に改宗した人です。
私も40年近く前に献眼登録をしています。以前は献眼するためには、年齢の制限(65歳まで)がありました。有難いことに、この年齢を超えました。しかし、現在は、献眼登録に関して、年齢の制限はないようです。角膜はとても長生きです。一世代で終わることなく、他の人の身体の中で、二世代目を生きることができます。角膜の移植手術の成功率は非常に高く、90%近くです。
「ジャータカ」は素晴らしいお話の宝庫です。とろこで、中学校や高等学校で見学したので、皆様がよくご存じと思います。法隆寺の玉虫厨子にも、「ジャータカ」にある釈尊の前世のお話が描かれていますね。玉虫厨子と玉虫については、書きたいことが多いです。次回に書きます。移植手術や玉虫のイメージを頂けましたら有難いです。