今月、新しいお檀家がおいでになりました。仏様は8霊とお聞きしていました。しかし、お骨は7柱(体)でした。加えて「お湯呑み茶碗」が一つ来ました。さらに「土」が一袋(2リットルも)きました。
お聞きすると、30歳代のときに広島で原子爆弾のために亡くなり、ご遺体は見つかりませんでした。このため、お使いになっていた「お茶碗」をご遺骨としている仏様とのことでした。75年間、ご両親・ご兄弟のご遺骨と同じお墓に、この「お茶碗」はあったわけです。言うまでもなく、お命日は広島の原爆忌(8月6日)です。今後は福性寺で、ご本尊様・大日如来様のもとで同様に過ごすことになりました。
誰も故人のお気持ちを勝手に推測することはできません。しかし、故人の「両親や兄弟は、お茶碗をお墓に納めることで安心していました」と、甥にあたるご当主様からお聞きしました。
今回、「お茶碗」は丁寧に和紙で包んで、お戒名・俗名を記した和紙とともにお骨壺に納めました。
「土」は初代様(お墓の最初の仏様)が亡くなった時に「さみしいだろうから」とご先祖様の遠い故郷の墓所から運んだそうです。その「土」が前のお墓のカロート(お墓の納骨室)の中に山になっていたので、お運びになったとのこと。「土」も壺に納めて福性寺のお墓に安置しました。
新しいお檀家が、心から過去のご家族・ご先祖様を大切に思っていることがわかりました。住職はこのお話をお聞きして、勉強になり心が動きました。ありがたいお檀家です。
なお、米軍による原爆の使用については書きたいことが多いです。いずれ書きたいと思います。
改葬の手続きは、全てご当主様の姪ご様が行いました。文京区役所で手続きをしたそうです。福性寺住職の受け入れ証明書を発行しました。お骨と墓石は、あちらの石材店が福性寺に運びました。