遠い昔のことです。先代住職の時代に始まりました。ちょっと前にご当人の十三回忌の法要が終わりました。以前から書きたいと思っていました。しかし、個人情報を含みますので、時間の経つのを待っていました。
お檀家(男性)の代理人の弁護士さんから「これから10年以上お寺にお参りに行くことができません。その間、お墓をよろしく。必ず更生しますから」と伝言がありました。先代住職は「刑期」など詳しいことはお聞きしなかったようです。長い時間、墓参はありませんでしたが、寺でご供養をしていました。現在、故人を含めて明治時代からの仏様8霊が眠っています。
出所直後に墓参においでになりました。もちろん、お墓は元のままです。ご当人からお礼を言って頂きました。その後は、年に4回(お正月、両彼岸、お盆)の墓参を欠かしませんでした。行事へのご参加は時々でした。
出所まえに、ボイラーに関する国家資格(技士)、出所後に電気に関する資格も取りました。勤めた会社でも、とても歓迎されていたようです(同僚談)。
昭和の60年代にお墓を新たに作り直しました。百万円以上かかったのではないかと思います。前に立つと自然に合掌したくなる立派なお墓です。
また、住宅ローンを借りることができるようになり、お家を買いました。亡くなる前に住宅ローンを完済しました。唯一の楽しみは、お仕事の後のお酒であったとお聞きしました(お身内談)。
葬儀では「まことにご立派な人生でありました」と「諷誦文・ふじゅもん」(導師=執式者の読む仏教的な追悼文:あちらの世界への紹介状)の中で口語で述べました。見習うべき点の多い人生であったと思いました。「諷誦文」のタイトルとも言うべきお戒名は「十善戒を守り(善を好み)人生を楽しみ、優れた人生を築き上げた仏教者」としました。
故人にボイラーや電気に関する技術の教えを受けた大勢の勤務先の後輩・同僚・先輩が集まり、葬儀場に人があふれました。異口同音に「心の温かい親切な先輩・指導者」であったとお聞きしました。
なお、故人のご遺言により葬儀では、たくさんのお布施を福性寺に頂戴いたしました。喪主様から、故人の遺産からであると聞きました。
十善戒について書いたことがあります。
令和2年2020年8月22日 グルメサイトと五戒・十善戒 https://fukushoji-horifune.net/blog/archives/6735
令和2年2020年2月16日消毒用アルコールがなくなるって?! https://fukushoji-horifune.net/blog/archives/5427
平成30年2018年4月28日 結婚の奉告(ぶこく・謹んで報告する)法要 https://fukushoji-horifune.net/blog/archives/1239
平成28年2016年5月8日 結婚式の戒師を務めました(平成28年4月29日) https://fukushoji-horifune.net/blog/archives/77