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2019年6月9日

前かがみ姿勢・胃食道逆流症 ニュージーランドでの医学研究 バレット食道?

前回(6月4日ニュージーランドの大仏様 ニュージーランドワイン)に、書きますとお約束した留学時の医学的な記事です。

すでに住職になってからの留学で、長い時間は寺を留守にはできません。このため、短期集中(短期決戦?日本人が得意ですね!)を目指しました。この間、栃木県藤岡町の矢田正幸師、母と家内が寺で頑張りました。

「白人に多いバレット癌の発生母地=バレット食道」の研究のために、留学(名誉客員教授)しました。この疾患は、学生時代(昭和50年1975年)の教科書を精読しても漠然としていました。留学当時(平成6年1994年)、教科書を読んでも組織像が確定していなかったのです。組織像の確定に一役買うことができたと自負しています。

この一連の疾患は、日本では少ないです。しかし、欧米ではとても高頻度です。多分、日本でも頻度が上がると考え、診断する力を上げるためと、原著論文を書くために出かけました。実際、前記の疾患の頻度は、日本で上がってきています。ギャンブルは一切しませんが、予想は的中!しました。

これらの疾患は「胃食道逆流症」が原因です。文字通り「胃液などが食道に逆流」するために発生します。胸やけや胸部の不快感が主な症状です。胸やけを感じる皆様は、内視鏡検査のできる医師を受診して下さい。適切な薬があります。「前かがみ」になると、症状が悪化したりすることがあります。何度も逆流を繰り返すと、食道が胃や腸のような粘膜(=バレット食道=前癌病変)となり、バレット癌が発生してきます。

ところで、大きな仏様の両脇の小さな仏様(脇侍)や弥勒菩薩様は前かがみですね。これらの仏様に参拝したあと、仏様を注視すると、必ずと言っていいほど「胃食道逆流症」を思い出しますね。このようなことを考えるのは、医師でも僧侶でも、私だけかな!と思い笑ってしまうことがあります。

元寇に備えるための防塁です 今回、福岡に出かけましたので何か所かの防塁を見に出かけてきました 3人のタクシーの運転手さんは観光客を一度も防塁に連れてきたことがないとのことでした 歴史好きにはたまらない場所でしたけど どこの防塁も大変立派で北条時宗の強い決意(日本防衛?)と建築期間が「長期戦」であったことを知ることができます

寇防塁 福岡で防塁(石築地)を見てきました 3人のタクシーの運転手さんは観光客を一度も!防塁に連れてきたことがないとのこと 歴史好きにはたまらない場所ですけれど どこの防塁も大変立派で総延長は20kmとのこと また長崎県にもさらに長い防塁があるとのことでした 北条時宗の強い決意(日本防衛?)と防塁の建設が「長期戦」であったことを知ることができました

留学が短期間であっても、論文を書こうと思っていました。雑事や観光はしませんでした。ホテルに居て、洗濯も自分でしませんでした。しかし、5カ月間に1報の原著と1報の症例報告論文を書いて帰国しました。その2論文は、他の医学者の書いた10論文の中で引用されています。留学により、少しだけですが、社会に有用な論文がかけたかな?!と思っています。その後、現在までに、前記の疾患に関しては20報以上の英語論文を発表して、すっかり得意分野(笑)になりました。

このため、何度もこの分野の講演者として招待されています。最近も、第97回日本消化器内視鏡学会(会長:昭和大学井上晴洋教授5月31日~)では、臨床医の発表に病理医としてコメント(意見や補足的な見解を加える)する役割でした。また、福岡(写真)での日本食道学会(会長:九州がんセンター藤也寸志院長6月6日~)の特別発言者(複数の講演をまとめる)に指名して頂きました。このところ、医学会での役割を楽しんでいます。

以下、留学中にお世話になったJass教授の記事のリンクです。

https://fukushoji-horifune.net/blog/archives/699

 


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