お檀家や町内の皆様に、美しい花を咲かせて楽しませてくれた蓮の鉢が帰宅します。植木屋さん(マコト造園)のもとに里帰りです。来年の春のお彼岸過ぎまで、植木屋さんのお家で休んでもらいます。
ところで、真言宗も里帰りをしていることをご存知ですか?真言宗の大もとは、お大師様(弘法大師)が唐の国から日本に伝えたものです。お大師様は遣唐使船により804年に出発して806年に帰国しました。しかし、その後のチャイナ大陸は、主流が禅宗系や浄土宗系になっていました。
大正時代に真言宗を中国に里帰りさせた僧侶がいます。権田 雷斧(ごんだらいふ)師です。江戸時代の1847年生まれで、昭和9年(1934年)に亡くなっています。新潟県出身で、子孫の方も僧侶です。この方は大正大学の学長、総本山長谷寺の能化(住職)、豊山派の管長でした。
大正時代(13年、1924年)に中華民国(1912年までは清国)において、「伝法灌頂」を中華民国の人々に授けて、真言宗を布教しました。79歳!のときです。
昭和24年(1949年)に中国共産党による革命後、つまり中華人民共和国の成立後の中国の真言宗には、不幸なことが多かったらしいです。しかし、香港、ベトナム、アメリカ、カナダには、権田師の灌頂を受けた方々の子孫が活発に活動しています。特に、「香港居士林」はよく知られています(http://www.buddhistmantra.hk/)。
ところで、福性寺の本堂の扁額「白王山」は権田雷斧師筆です。以下で扁額のイメージを見ることができます。
〇本ホームページ「境内のご案内」https://fukushoji-horifune.net/precinct/
〇「福性寺の歴史第6版」53ページ。でも、実物を見に来て下さい。とても伸びやかな字です。大きくて立派です。