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2020年7月4日

大正時代のパンデミック 高熱に効果?

新型コロナウイルスのパンデミックで思い出すことがあります。

それは、大正7年1918年のスペイン風邪=インフルエンザによるパンデミックと私の父の話です。父の毎回!の年回忌法要で鳥居敬誉猊下(父の兄弟子様)からお聞きしました。

父は師僧の上東野昭良師の死亡(大正10年1921年7月)のあと、巣鴨にある真性寺の清水教誉猊下の弟子となりました。丁度そのころは、3回目のスペイン風邪のパンデミックでした。3回目は大正10年3月に終息しました。しかし、流行が完全に終息せず、真性寺に移った直後に父は高熱を出しました。

そのおり、夜中に「火事だ!火事だ!」と布団を担いで真性寺の中を駆け回り大騒ぎとなり、あの温厚で物静かな清水教誉猊下が大声で制止して、やっと治まったとのことです。40度近い高熱であったとのことです。

父です 昭和6年1931年3月大学卒業

父田久保周誉師です 昭和6年1931年3月大学卒業時の写真です

最初、父は田舎の高等小学校あがりで、中学校では勉強に全く身が入らなかったらしいのです。しかし、この高熱のあと急に机に向かうようになり、成績も向上しました。以後、特に外国語が得意になり、大学や大学院でも、寺の仕事以外の時間は、いつも梵語(サンスクリット)や英語を自習していたとのことです。敬誉猊下からは「その後、たくさんの梵語経典を校訂したり、于闐(うてん・ホータン)語の経典を解読し、大きな業績を残した」とお誉め頂きました。

年回忌法要のご挨拶の最後に、敬誉猊下は「高熱が頭にどんな作用をするのか?時には役に立つのですね?!」と。法要参加者から必ず笑いが漏れました。

私は毎回の父の年回忌法要で「このお話」を楽しみにしていました。また、法要後の夕ご飯会では「高熱と勉強の関係、君はわかるの?」とのご質問を何度か敬誉猊下から頂きました。

「医学的に通常の風邪などでの高熱は、脳機能に影響がないと言われています!」とは答えませんでした。

この原稿を書きながら、さらに思い出しました。高校を卒業して、僧侶資格を得るための四度加行(しどけぎょう・密教行者の行うべき修行の一つ)のあと、秋から本格的に受験勉強をしていました。英文の長文読解問題では、私の知らない英単語を父は全て知っていました。(笑) また、wouldやcouldに関する文法も、私よりもできましたね。昔の人の勉強(量)には勝てません!というよりも、不勉強でした。親不孝です。

父からは英語はあらゆる学問の基礎であると何度も聞きました。

また、私には父ほどの集中力がないです。ちなみに、私はあまり高熱を出さない体質です。

今年も秋にはインフルエンザの予防接種を受けましょう。ご自分だけではなくて、ご家庭や社会の皆様のためにもです。若い皆様もです。社会貢献!にもなります。

 


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