以下、偉そうなことを書いてごめんなさい。
新宗教団体に関して、文科省による宗教法人の解散命令の請求が東京地裁に提出され、話題です。以前(平成7年1995年)新宗教団体が「刑事事件」により解散となりました。
今回は、教団全体が重大な「民事事件」を起こしたとして、解散命令の請求となりました。今後は裁判でしょうか。
一連の問題により、新旧を含めて「宗教」や「宗教団体」全体に対して否定的な印象を持った皆様が多いのではないかと心配しています。
新聞、テレビやネット上でも、話題の「団体の解散命令の請求をするべき」と、一般論として「宗教法人が持つ国税と地方税の免除の制度を廃止するべき」との議論を多くみました。
宗教法人法(昭和26年)により、法人の宗教的収入(仏教寺院では布施、寄付、会費など)は、国税(固定資産税など)や地方税(都市計画税など)は、免除となっています。
しかし、宗教的収入ではない法人の持っている宅地からの収入(地代)や駐車場収入など(収益事業)は、ほぼ営利会社なみに課税されています。また、住職などの職員の給与からは、所得税(国税)などを払っています=あらゆる点で皆様と同じです。
宗教法人格がなくても、つまり、税の免除がなくても宗教活動をすることはできます。しかし、仏教寺院の場合ですが、多くのお墓の底地となっている広い墓域、境内地、庭や大きな建物(本堂など)などの固定資産に課税されるとなると、なかなか仏教寺院の維持は難しくなってくると思います。
付属の墓地を持っていることのすくない新宗教の団体、神社、キリスト教会などとは、よほど仏教寺院は「墓地の維持・管理をしている」という点で、歴史的にも現在も存在意義は異なっていると思います。
また、お檀家、信徒様などの「仲間内・身内」の安心に寄与しているばかりでなくて、公共の福祉や社会・地域への貢献をしている寺院もあります。「緑(樹々)があるだけで気分がいい」とか「お花を楽しませてもらっています」と何度もお聞きしたことがあります。
改正宗教法人法(令和元年)では、毎年、役員名簿、収支決算書、財産目録、事業報告などの東京都への提出が義務付けられています。提出がないと科料が課せられます。行政が一定程度の管理をしています。
京都や奈良の大寺院(観光客が多い)、参詣寺(信者様の寺)、滅罪寺(お檀家の寺)、宅地などの地主の寺(地主寺)など多くのカテゴリーがあります。皆様には、たくさんある寺院のありようを観察して頂けると有難いと思っています。マスメディアからの情報をそのまま信じるのではなくて、よく見て頂けると有難いです。
また、宗教収入では住職が生活できない寺(無住職寺)が増えています。住職が兼業して、家族と墓地を含むお寺を支えている寺などいろいろあります。
最後に、仏教寺院の側からは、社会の中で、それぞれの仏教寺院がどのような役割を果たしているかを不断に広報する必要があると思います。
令和5年2023年4月1日顔の半分は・・・ https://fukushoji-horifune.net/blog/archives/16751
平成31年2019年3月12日平成30年度法人会計報告会 総代様会 https://fukushoji-horifune.net/blog/archives/2876