自宅でよくお母様の面倒をみたお二人のお嬢様がとても悲しそうです。お電話がありましたので、枕経に出かけました。福性寺の近くにお住まいです。故人はお身体が不自由になっても、墓参においでになっていました。喪主様から今回も「お寺が近くて本当に助かります」とお聞きしました。墓参の時に何度もお聞きしています。平成30年ごろにお檀家になりました。
「葬儀社さんにとっては直葬」ということになりました。「福性寺にとってはお骨葬儀、お骨葬」です。参列者は4人であるとのこと。
ご遺体はご自宅に安置です。火葬の前日、私1人で「お通夜」に出かけました。寺から直綴・袈裟(葬儀執式の服装)をつけて歩いて出かけました。喪主様には「喪服は不要」とお話をしました。参加者は2人でした。久しぶりに私だけ正座の読経です。その後、お母様の人となりをじっくりお聞きしました。びっくりしました。故人は普通のご家庭の主婦と思っていました。違うんですよ。定年のお歳まで、近くの工場の社員であったと言うことでした。お檀家になりましてからの「故人の個人史」しか知らなかったのです。
お別れの覚悟はできているとお聞きしました。お戒名は「清い努力により家庭に繁栄をもたらし家庭に暗いところがないように明るく照らし長命を達成した聖なる仏教者」としました。
翌日、ご遺体は自宅から町屋火葬場に向けて出棺しました。ご家庭ではなく別の施設にご遺体をお預けした場合は、そちらから出棺します。
火葬場でご遺族4人と待ち合わせて、院代さんと私と2人で数分の「炉前読経」をしました。午後2時から火葬となりました。待ち時間に「アイスコーヒー」を頂きました。
「お骨あげ」の時は微音で読経しました。その後、寺に帰りました。会葬者が寺で待っている場合もあります。
私、院代さん、ご遺族4人の合計6人で、寺の本堂で葬儀です。「お骨葬」と言います。実は、葬儀や通夜の前に火葬することは、多くの地方で行われています。お骨葬は決して珍しいことではありません。
本堂で、メロディーのあるお経:奠供(てんぐ)のあと、お人柄を読み込んだ文章(表白)、次に、院代さんに「追弔和讃」をお願いしました。日本語のお経です。とても上手になりました。
お骨葬でも、初七日の読経付きです。午後4時過ぎに全て終わりました。「お骨葬」では、本堂に通常よりも多くお花を供えしました。一対です。「供〇〇家」の札を置きました。
なお、葬儀社に支払うお金は「直葬」と変わらなかったそうです。
令和元年2019年12月25日お通夜と葬儀の読経のある「直葬」https://fukushoji-horifune.net/blog/archives/5015
平成31年2019年4月29日 直葬の新しい形? 直葬で通夜・葬儀https://fukushoji-horifune.net/blog/archives/3302
平成30年2018年12月29日最近、流行の直葬とは? お通夜の意義https://fukushoji-horifune.net/blog/archives/2262
「お骨葬」は、そろそろ後期高齢者(定義は75歳から)の「おっさん住職」にとっては、かなりハードワークです。「肉体年齢(身体年齢、フィジカルエイジ)と暦年齢(実年齢、カレンダーエイジ)は違う!」「肉体はもう少し若いかな!」と思っています。なお、これを「過信?」もしくは「自爆?」(笑)と言います。
若い人のマネをしてもダメですけれど!待ち時間でもどこでも「ホットコーヒー」ではなくて「アイスコーヒー」を頂きます。冬でも。これを「年寄りの冷や水」と言う人がいますかね?
これからは火葬場の読経は院代さんに任せようと思っています。