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2026年7月4日

患者の遺族の会・遺族ケア外来 興教大師様

6月の平日の遅い昼食後、ご集印帳(納経帳)を持参されたお二人の来寺がありました。檀家様ではありません。

今朝です 今日長野県からハスの鉢が来ます 明日は新盆供養法要です

会計係(書道師範です)が、ご集印帳に楷書で書きます。 その間、お二人を本堂へご案内しました。

私から「般若心経を読んだことがありますか?」と質問すると、「ないです」とのお返事。予想通り。しかし、お二人とも、ご集印帳が本来「自ら写経したお経を寺に納めた証」や「読経した証明書」であることはご存じでした。

私は自称「葬式坊主(笑)」ですから、檀家様や信徒様と一緒にお経を読み、その意味を説明するのが「仕事」(「生き方」と言う人がいます)です。またまた、般若心経の読経を「押し売り」しました。「読みましょうよ」です。あいにく院代さんが不在でしたので、法楽太鼓の伴奏はナシ。

お二人は本堂でお経を読むのは初めてとのこと。読経とお祈りの後、心経の「秘蔵真言分(ギャーテー・・・)」の解説をしました。

スーパーマーケットで見たお盆飾りセット 長いほうずきまでありました  全て人工物で間に合うらしい 生花店で「本もの」が売っているのですが・・・

その後、お二人としばらく懇談しました。昭和13年と昭和28年のお生まれとのこと。年齢差はありますが、とても親しい友人同士のように見えました。東京大学の近くと、近く(荒川区)にお住まいで、どちらも宗派は真言宗でした。

ここで、お一人から「智山派と豊山派はどう違うのですか?」というご質問をいただきました。私は次のように説明いたしました。

「教義は同じですが、歴史的に分流したのです」と、まずは結論からお話ししました。 話は804年、お大師様(弘法大師)の入唐から始まります。平安時代の終わり、真言宗の衰退と浄土思想の流行という時代の波の中で、真言宗の教えを捉え直し「密厳浄土(みつごんじょうど)」を唱えた興教大師覚鑁(かくばん)師(1144年遷化)は根来寺(ねごろじ)へと拠点を移します。後に根来寺は豊臣秀吉の紀州攻め(1585年)によって多くが焼け落ちてしまいます。この時、逃れた僧侶たちが奈良の豊山長谷寺(豊山派)や京都の智積院(智山派)において、興教大師の真言宗(新義真言宗)の灯火を伝えていきました。ですから、両派の教えに違いはありません。

さらにお話を伺うと、お二人はがん専門病院の「患者の遺族の会」で知り合われたとのこと。共にお連れ合い様を亡くされていました。胸が痛みます。

がん専門病院には「遺族外来(グリーフ外来)」が設置されていることが多いです。患者様が亡くなられた後、ご遺族の精神的なケア(グリーフケア)をサポートするためです。

これまでも何度かブログに書きましたが、お連れ合い様を亡くすことは、人生最大のストレスです。その悲しみは非常に深く、身体的・精神的に大きな影響を及ぼします。不眠や食欲低下、気分の落ち込みなどがひどい時は、医療などの専門的な支援を受けることが不可欠です。

火葬後の初七日法要の最後に、遺されたお子様・お孫様方に必ずお伝えしている言葉があります。「今日はお元気そうに見えますが、お連れ合い様を亡くすことは人生最大のストレスですから、遺されたお母様(お父様)の様子をよく見ておいてあげてください。人間はそれぞれ(ストレスへの反応が)違うのです」お連れ合い様を亡くすことと、親御様を亡くすことは全く違うのです。

この「よく見て」には、「視て」と「看て」の二つの意味を込めています。これこそが、仏教でいう「正見(正しく見る)」「正思惟(正しく考える)」「正語(正しい言葉をかける)」の実践となります。仏教やその伝統的儀礼は、ご遺族のグリーフケアとなるものでなくてはならないと考えています。

参考記事

令和6年2024年10月20日シルバーパスで豊島八十八ヶ所巡拝 本堂寄付銘板https://fukushoji-horifune.net/blog/archives

令和6年2024年9月27日 お彼岸の終わりに納経と就職 ご朱印https://fukushoji-horifune.net/blog/archives/25109

令和4年2022年12月24日令和5年 元旦朝の読経会は11時開始です 「葬式だけ坊主」https://fukushoji-horifune.net/blog/archives/15502

令和4年2022年8月22日豊島八十八ヶ所巡礼 石坂朋久氏著書とxxion神田氏記事https://fukushoji-horifune.net/blog/archives/13589

平成31年2019年4月4日お経を聞くと喪失感による悲しみが癒やされるhttps://fukushoji-horifune.net/blog/archives/3053

平成29年2017年12月18日・・・ 滝野川文化センター 区民講座https://fukushoji-horifune.net/blog/archives/890


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