7月24日投稿の記事で、夏物の衣(ころも)を着ています。 https://fukushoji-horifune.net/blog/archives/6408
私は、遠山柄(背中の刺繍)のある木蘭(もくらん)色の如法衣(にょほうえ・袈裟のひとつ)をつけています。 遠山柄は美しいですが、必要のないものです。24日の写真の副住職の如法衣が正式です。副住職はシースルールックに見えます。シースルー!表現が古いですか?最近の女性のチュールスカートと同じ印象です(やはり違いますかね?)。
袈裟も衣も紗(しゃ)の生地でできています。 紗は風がぬけます。絹であれば、なかなか高価です(10‐20万円程度、参考までに!)。ポリエステルのものは三分の一以下です。紗は平安貴族も着ていました。
下に着た生地が透けて見える透明感があり、清涼感を生みます。つまり坊さんのシースルールックですね!さらに薄いものは蝉の翅(せみのはね)とか蝉衣と呼ぶものがあります。実際、お檀家から「涼しそうですね」とお聞きします。夏に着重ねですから、率直に言って全く涼しくないです。「アツ!アツ!」です。しかし、千年以上の前から、日本人は他の人に清涼感を持って頂くことを意識していたんですね。「相手の立場に立つ」感じです。布施行でしょうか。見た目がひどく暑苦しい服装はダメです。
しかし、本堂に冷房が設備されるようになり、汗が衣につくことがなく、夏物の衣が以前よりも長持ちするようになりました。思い出しました。施餓鬼会の組寺様(施餓鬼会に式衆として出かける近隣のお寺)の中で、最初に冷房を設備したのは福性寺でした。もちろん父の考えでした。
最後に蚊帳(かや)、モスキートネットを着ているみたい!とは言わないで下さい。坊さんに悪い虫がつくのをふせぐ!ためではないです。子供の頃の蚊帳は麻製でした。
なお、福性寺の本堂と客殿の冷房は24~26度設定です。最もご高齢の参加者にとって「ちょうどよい温度」に合わせています。最近の法要では、私が最高齢であることがかなりあります。
しかし、感染症予防のために、必ず窓の一部が開放されています。床下換気扇も活躍しています。このため、冷気と外気のあたたかな風が混じって、不思議な空間です。
実はできるだけ黒衣を着たいと思っています。あらゆる機会にです。お大師様(弘法大師様)の前で、何色にせよ色衣(浅黄、黄色、萌黄、紫、緋色)を着る勇気がありませんから。ご本尊様、お大師様の手代(使用人)ですから。