お寺とも私とも関係のない事件が近くでありました。刑事さんが寺においでになりました。ドラマに出てくるようなカッコイイ刑事さんでした。ひととおりのお話が終わったあとの世間話です。
「犯罪を取り締まっても、取り締まっても、犯罪はなくなりません」「犯罪は際限がないです」とちょっと落胆したご様子でお話しになるのです。
お話の様子から「犯罪を取り締まることにより、犯罪のない社会を創りたい」とお考えのようです。実際「犯罪のない社会がくるといいですね」ともお話しになっていました。刑事さんとは、そのようにお考えになって仕事をしているのか、と思いました。
今まで、刑事という職業を知らないばかりか、勝手に自分の考えで判断していました(独断ですね)。釈尊(シャカ・ブッダ)が説くわけです。正見・正思惟(しょうけん・しょうしゆい、釈尊のように見て考える)・正命(しょうみょう、正しい生計・仕事)ですね。「八正道(はっしょうどう)」の欠乏症を実感しました。
また、お檀家の警察官の皆様は温厚でご先祖様思いの深い方ばかりです。刑事さんのお話をお聞きして、自分も理想を忘れて生活していることに気づきました。
刑事さんの考えている「理想の社会」は、お大師様(=弘法大師様)の「この世界が理想的な密厳国土(密厳浄土)」を現実的な言葉で表現しているように聞こえました。
カッコイイ(見た目)だけではなくて、とても立派な刑事さんでした。
「密厳国土」については、過去記事をキーワード検索して下さい。以下にもあります。
平成27年2017年9月23日 平成29年 秋分彼岸会読経会 仏讃歌 https://fukushoji-horifune.net/blog/archives/709