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2018年12月14日

西域の砂嵐 玄奘(げんじょう)三蔵

11月末から中国の甘粛省で砂嵐が起きているようです。都市近くでも100mの高さまで砂を噴き上げています。黄砂やPM25が日本にも来る季節になったのでしょうか。毎年、天山山脈やタクラマカン砂漠の周りでは、砂嵐や竜巻が猛威をふるっています。西域の砂嵐!で反射的に思い出すのは、玄奘三蔵法師です。皆様と法要のたびに読む「仏説摩訶般若波羅蜜多心経」は玄奘三蔵の翻訳です(あらゆる法要で説明しています)。

玄奘三蔵はインドからの帰路に砂嵐のために生命の危機にであったようです。往路は河西回廊(甘粛省にほぼ一致)から天山山脈の近くを通りました。帰路は于闐=ウテン(ホータン・和田)を経由でした。つまり、西域南道を帰途に選びました。于闐は「東トルキスタン」最南部の都市ですね。タクラマカン砂漠の南の端に沿う道です。玄奘三蔵による旅行記「大唐西域記」(高校の教科書で勉強しましたね)によると、気候はおだやかですが、土埃を吹き飛ばす旋風が舞っているとあります。穀物・果実の栽培に適し、いろいろな果実が多いと記しています。また、人々は仏法(釈尊のお考え・悟りを得る方法)を尊んでおり、仏寺の伽藍は百以上、僧は5千人であったとあります。

平成元年1989年10月14日 福性寺・西福寺・清光寺3寺院合同中国参拝旅行 西安市興教寺玄奘三蔵法師遺骨塔の前にて この年の6月に天安門事件がありました 300名以上の学生が死亡しました 人権無視・民主主義のない国への旅行を中止するか?との議論もありました(「福性寺の歴史第6版」91ページから)

平成元年1989年10月14日 福性寺など3寺院合同中国参拝旅行 西安市興教寺玄奘三蔵法師遺骨塔前にて この年の6月に天安門事件があり300名以上の学生が死亡しました 民主主義のない国への旅行を中止するか?との議論がありました 「福性寺の歴史第6版」91ページから

さらに思い出すことは、先代住職(=父)です。父は敦煌の莫高窟(ばっこうくつ)から出土した「敦煌文献」の一つ、于闐語(ウテン語)の経典の研究者であり、その研究成果により「密教学芸賞」(真言宗各派総大本山会)を頂きました(昭和48年1973年)。私にとっては、出かけたいシルクロード=ザイデンシュトラーセ=絲綢之路!です。

玄奘三蔵については、平成29年2017年8月22日「三蔵法師」と5月6日「玄奘祭」の記事をぜひとも参照して下さい。

余計かもしれませんですが、以下を書きます。実は、シルクロードには、中国の核実験場があり(1996年まで)、ロプノール近辺は被曝の危険があると言われています。正確な報道がないため、ここに住むウイグル人の被曝の実態は不明です。あるウイグル人によると、とても大きな被害があったようです。日本の新聞やテレビでは、ほとんど報道されませんけれど。

 

 

 


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