前回、紹介した庚申塔の残り2基は、本堂前青面金剛と延命地蔵様の脇にある板碑型です。
青面金剛のある舟形石は1.2mあります。台座を含めると人の背丈です。舟形光背の向かって左側には、「享保三年十二月吉祥日」 建立(1718年)右側には、「奉供養庚申 為二世安樂也」二世は現世と来世ですね。
基壇には「豊嶋 梶原堀之内村 願主 拾四人 巣鴨村▢▢」巣鴨村▢▢は石工さんでしょうか?
舟形には、上の方に瑞雲と日月があります。左右共に、日のように見えます。どちらが月(多分向かって左?)か教えて下さい。日日でよいのでしょうか?下には邪鬼を踏みつけその下に三猿もいます。近くには二鶏(向かって右が雄鶏、左雌)。
陽刻された青面金剛はお姿がすごいです(笑)見開いた眼を見て下さい。髪の毛は、とぐろを巻いたヘビだったんでしょう。
三面八臂(ひじから手首)です。青面金剛の左胸から斜め下に向かってドクロ5個も見えます。やりすぎでは!(笑)
また八臂の手の持ち物がすごいです。
4本の(お像の)左腕の手には、上から法輪、独鈷杵(とっこしょ)、弓、また破損した腕には、おそらく「髪の毛をつかまれ吊り下げられた女性=しょけら」を持ってたであろうと思われます。破損していなければと思いますね。見たかったな。
4本の右腕には、上から槍、三(か五)鈷杵、矢と破損していますが剣(か棒か羂索=綱)を持っていたと思います。
やたらと武装しています。重武装!前回書きましたが「おいおい!石屋さん、どうしてこんなお姿を創っちゃうんだい?」ではありませんか?
300年前、巣鴨の石屋さんからこの石塔を荷車(多分)で運んできた当時の村民の「どうだ!すごいだろ!」が目に浮かびませんか(笑)
村民のお楽しみ会であった「庚申待ち」のご本尊様としては、やりすぎ・すごすぎですね。
横道にそれますが、コンピューターゲームの主役にぴったりでは。三面に腕八本!ゲーム会社にメールしてみます。でも、悪役ではなくて、かならず救世主として扱ってと。
石の表面を触るとカサカサと音を立てて、表面が剥がれそうになっていることがわかります。気がついて記録してよかったです。
最後の庚申塔の一つは「延命地蔵尊」と「水子子育て地蔵尊」近くの板碑型です。これから書きます。
令和5年2023年1月12日 庚申(こうしん)塔 5基 石井家南側から 「二世安楽」がキーワード(庚申塔1) https://fukushoji-horifune.net/blog/archives/15884
光明院のご住職様が青面金剛をアップして頂いています。
”庚申蕎麦(こうしんそば)” | 在俗在僧~俗であり、僧であり、僧であり、俗であり~ (ameblo.jp)