令和元年2019年9月16日「蓮と真言宗の里帰り権田雷斧師」の記事の中の「伝法灌頂」とは何ですか?メールによるご質問を頂きました。
https://fukushoji-horifune.net/blog/archives/4280
この記事を書く前に、以下の帽子の記事のために「帽子」の写真を探しておりました。
令和元年2019年8月9日 「帽子売り場の写真ですか?」
https://fukushoji-horifune.net/blog/archives/4064
令和元年2019年8月23日「防寒のための帽子お寺の世界の帽子とは」
https://fukushoji-horifune.net/blog/archives/4124
帽子の写真を探しているとき、先代住職の「伝法灌頂」の記念写真が出てきました。この写真は、私の生まれる前の年(昭和23年1948年)に撮影しています。
「灌頂」とは、頭に水をそそいで、仏道がある段階にまで進んだことをしめす儀式といえます。そそぐ水はとても少ないので、びしょぬれにはなりません。
「伝法灌頂(でんぽうかんじょう)」とは、お大師様(弘法大師)が唐の都・長安の青龍寺で、恵果阿闍梨からこの灌頂を受け(805年)、日本に伝えました。お大師様は「伝法灌頂」を受けた翌年・806年に唐(チャイナ大陸)から帰国しています。
真言宗における「四度加行(しどけぎょう)」という密教の修行を真言宗寺院(=道場)で終わり、一定の僧侶の階級をえた人のみが受けることができます。灌頂の中の最後の灌頂と言えるのでしょうか。
お大師様(弘法大師)以来の真言宗の1200年以上の歴史の中で受け継がれてきた法を伝え受け継ぐための秘密の儀式です。
このため、お檀家や一般の皆様は見ることができません。また、灌頂自体の写真もありません。
「伝法灌頂」において秘法を伝えた側の僧侶は、「伝燈大阿闍梨(でんとうだいあじゃり)」となります。授かった側の僧侶(受者)は、真言宗の僧侶として、ふさわしい僧侶として認められます。また、伝法灌頂を受け伝燈大阿闍梨の位を得て、弟子を持つこと(教師資格)が許され、いわば、正式の僧侶となるとも考えられます。
以上は真言宗の専門家(宗乗学者)からみましたら、簡単すぎて冗談のような説明だと思います。専門家の皆様!ごめんなさい。追加事項をメールでご教示下さい。
次回以降に私の「伝法灌頂」を書きますね。