今月、埼玉県立がんセンター病理部でお世話になった元技師さん2人と3人で夕食を共にしました。かつて、おふたりが作った正確な病理組織切片をもとに、私が悪性の確定診断を行っていた間柄です。
また8月24日の夕方からは、東京都健康長寿医療センター研究所時代の制度上の元部下=共同研究者2人と夕食をご一緒しました。おふたりの実験による正確なデータや、前述の技師さんの緻密な仕事により、300報以上の英文論文と英文著書をまとめることができました。皆様のお蔭でした。現役ではなくなったあとも、本当に感謝しています。今でも折に触れて、深く謝意を表したいと思っています。
当日の会話は実に楽しく、思い出話に花が咲きました。出張先での夕ご飯などの話題です。
ところで、皆さんからは何度も「先生!引退されてお時間があるでしょう。普段は何をされているんですか?」といった質問を受けました。今回も。
「時間? 全然ありませんよ(笑)」とお返ししつつ、「たまには一緒に温泉旅行でもしたいですね!」などと話しています。
私から豪華なグルーズ船での世界一周旅行の話を期待しているようです。乗ったことないですけど。
7月と8月の楽しみといえば、毎年決まって訪れる奥日光の宿での1泊旅行くらいです。巡る場所も毎回全く!同じです。人の少ないゴールデンウイーク明けと紅葉シーズンの終わった後も日光に出かけます。
今回の旅行では、初日に日光清滝神社を参拝してから「いろは坂」を登り、奥日光の温泉に浸かって、ゆっくりと過ごしました。長風呂はできない体質です。
2日目は、日光山温泉寺で朝の読経(勤行)を行います。時には温泉寺のお風呂に入ることもあります。その前には、竜頭の滝、湯滝、湯ノ湖を回るのが定番コースです。前回の訪問と変わりはないかな?です。
そして、温泉寺の源泉である湯ノ平湿原の泉源へ向かいます。大きな犬小屋ほどの小さな建物です。
何度も見ている場所ですが、なぜか毎回どうしても立ち寄りたくなるのです。単に「確認するだけ」なのですが・・・
「何を確認しているのか」ですか?それは、今から60年以上前(笑)、小学校6年生の修学旅行で聴いた話です。温泉水は泉源ではほぼ無色透明です。旅館の湯船に届くまでに空気に触れ、温度が下がることで硫黄などの成分が析出し、白濁します。聴いたことありますよね。「やはり泉源の湯は今も透き通っているな」と。それを確認したいのです。
それにしても、地下から熱湯が湧き出してくるというのは、実に不思議なことではないでしょうか。
温泉の多くは「雨水が地下にしみ込み、地底深くで熱せられて地上へ戻ってきたもの」と説明されます。構造を知ってもなお、自然の神秘を感じずにはいられません。何歳になっても、77歳ですが(笑)理科系人間の「探求心」=よく言えば、本当は単なる「詮索好き」、もっと悪く言うと「猜疑心が強い」=人の言うことをなかなか信じない、は消えないようです。
もちろん、釈尊(シャカ)と大師(弘法大師)の言うことは、すぐに信じるのですが。
温泉の発見や始まりには、弘法大師伝説が多いです。しかし「高野山を請う上表」(性霊集)の中に、次のような一節があります。「空海 少年の日 好んで山水を渉覧す」渉は水のある所をわたるとか歩き回るでしょう。多くの温泉を発見したことは、まぎれもない・疑いのない事実でしょう。
皆様は、足元の地面から熱湯がどんどん湧き出してくること、本当に不思議だと思わないのですか?
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