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2020年2月26日

「悉曇・しったん」とは何ですか?「梵字の古書体学」

「最新ニュース/講演会情報」(=住職ブログ)のなかで、悉曇(しったん)とか、悉曇学という言葉を時々書いています。ネット情報とはちょっと違った角度から書きます。

悉曇学とは、ある時代の「梵字」(日本語では、いろは・あいうえお、に相当します)とその音韻の学問・発声を研究する学問とされています。

悉曇とは、サンスクリットのシッダム(Siddhaṃ、完成・成就)に似た発音の漢字の組み合わせです。つまり音を訳したものです(音訳)。

父(田久保周誉師)は、仏教梵語(サンスクリット)や悉曇学の専門家といわれています。父の名前を検索してみて下さい。父や故久野芳隆教授(台北帝大教授)は、悉曇学を「梵字の古書体学」として、とらえ直すべきであると考えていました。

つまり、梵語の古文書(こもんじょ)の書体(歴史的に変遷があります)に関して、「批判」(書体の変化や異同などに検討を加え判定・評価すること)する学問とするべきと考えていたと思います。「批判」は学問上の「批判」で、(よく現代人が使う)否定的な意味は皆無です。非難ではないです。

相承(師から弟子に伝えていく)され現代に及んでいる書体には、相違した字形が伝承されています。しかし、「相承の書体であろうとも、これが梵字書体学史の上から明白に否定される場合には、これを拒(しりぞ)けて書体学の実証に従うべきである」と周誉師は述べています(「梵字入門」訂第4版、真言宗豊山派宗務所刊 昭和52年1977年)。つまり、インドで使われたことのない字は、使用しないと言うことですね。当たり前かなと。相承から「人文科学」へでしょうか?

詳しくは、田久保周誉著「批判悉曇学 第一編・第二編」初版 昭和19年(1944)真言宗東京専修学院、校訂増補版 昭和53年(1978)真言宗豊山派宗務所(東京)があります。校訂増補版の第一編は145ページ、第二編は190ページからなります。

田久保周誉著「批判悉曇学 第一編・第二編」初版 昭和19年(1944年)真言宗東京専修学院 校訂増補版 昭和53年(1978年)真言宗豊山派宗務所(東京)

また、梵語を構成する梵字の学問(悉曇学)であることから、当然、梵語学の高度の専門家が当たるべきと考えていたと思います。あまりにも当然ですか?

詳しくは、田久保周誉著「批判悉曇学 第一編・第二編」初版 昭和19年(1944)真言宗東京専修学院、校訂増補版 昭和53年(1978)真言宗豊山派宗務所(東京)があります。校訂増補版の第一編は145ページ、第二編は190ページからなります。

「批判悉曇学 第一編・第二編」よりも解りやすいものとして、また「梵字入門」ではもの足りない方のために「梵字悉曇」(平川出版社昭和56年・1981年)が書かれたと金山正好氏が「梵字悉曇」の序文の中で書いています。

「梵字悉曇」については、最近の過去記事にも書きました。 令和2年・2020年1月20日

http://fukushoji-horifune.net/blog/archives/5201

サンスクリット(梵語)については、以下の過去記事などにもあります。

平成30年・2018年10月11日 http://fukushoji-horifune.net/blog/archives/1858

平成29年・2017年12月30日 http://fukushoji-horifune.net/blog/archives/909

 

 


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