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2018年10月27日

10月4日の記事の中で、「医師や看護師の給与や手当てについて書きます」としました。昨日、このホームページの読者から、読みたいので早く書くように!と促されました。有難うございます。

皆様は、医師の給与は、「医師手当て」により、事務の仕事をする方々よりも少し(公務員では本当に少し)多いことをご存知ですね。なぜでしょうか?子供の時に勉強したから!(笑)とか、難しい職業に就いているから!とお考えでしょうか?また、業務上の義務を負っているからでしょうか?実は、直接、人命にかかわる新たな知識を得るためには、コストがかかるからと私は考えています。

医学は日進月歩です。医師が新しい知識を得るためや、さらにキャリアを積むためには、各種医学会、講習会、勉強会に参加することが必要です。毎月、開かれる勉強会は普通にあります。全て、診断や治療のための知識の向上のためです。参加費(通常1.5万円)、講習会費(通常5~10万円)や交通費など費用がかかります。最善の診断や治療をするためには、これらの会への参加が必須です。しかし、前述の経費のかなりの部分は、医師の個人の負担になっています。「医師手当て」を自分の知識・技術の向上に使用するか、また生活費に充てるかは、医師の考え方次第です。私の友人は、前者、知識・技術の向上に遣っている方が多いです。つまり、本当の知識人と言うことができます。仏教的には言えば「利他」の精神にあふれています。

また、医学雑誌や医学書を読み知識を蓄積することも大事です。最近は病院では、経費の削減のため図書室にも医学雑誌が少ないです。このため、自分の専門領域の雑誌は、自らの経費で雑誌を買うことになります。これらの医学雑誌は、年間10万円程度の価格で、複数を買うこともあります。また、医学書も1冊3-5万円程度で高価です。ちなみに、私の英文医学書第3版でも、400ページ弱で3万円(Amazon)近くの価格です(出版社が価格を決め印税は発展途上国の図書館にこの本を寄贈しています)。

一方、看護師にも手当てがあります。看護師が出席するべき勉強会は、医師と同等か、さらに多い頻度で、病院の内外を問わず本当にたくさんあります。その出席率も大変高いです。全て看護学や看護技術の向上のためです。やはり「利他」のための勉強ですね。病院内で開かれる勉強会には、残業手当を支給してほしいです。また、病院外の勉強会の出席には、旅費を支給してほしいです。

毎年2回開かれる「日本食道色素研究会」(会場 東京医科歯科大学)です。8月に行われました 多くの参加者は交通費と研究会参加費を自ら支払い勉強をしています この研究会で身に着けた食道癌に関する知識は患者の診断と治療に役立ちます 20年ほど前に大分市のホテルでこの会の世話人をしたことがあります 当時は製薬会社からの協賛金が豊富にありホテルで開催しました 現在はこの種の寄付はなく会場も大学で行われています

日本食道色素研究会(東京医科歯科大学 8月)参加者は交通費と研究会参加費を自ら支払い勉強をしています 非常に暑い日でした 研究会で身につけた食道癌に関する知識は診断と治療に役立ちます 20年ほど前に大分市のホテルでこの会の世話人をしました 当時は製薬会社からの協賛金がありホテルで開催しました 現在はこの種の寄付はなく会場も大学で行われています


2018年10月21日

昨日20日(土曜日)は、お檀家の百カ日忌と七回忌のご法要があり、お経を読みました。最近、百カ日忌法要をなさるお檀家は少ないです。もう40年以上も前、父が住職の頃は、ごく普通に百カ日忌をしていました。今回の百カ日忌の仏様は90歳以上で、また七回忌法要の仏様は80歳代で亡くなりました。いずれも、戦中・戦後を生き抜いてきた方です。法要後の清宴では、故人の人生をよくお誉め頂き、献杯をして下さいと申し上げました。

午後からは別のお檀家との夕ご飯会でした。90歳近くとご高齢のお檀家ですが、お元気です。ご高齢になっても、お元気な方は肉料理の好きな方が多いです。介護付き有料老人ホームにお迎えに出かけました。夕ご飯は、イタリア料理(地中海料理について私の記事がありますhttps://www.carenet.com/news/clear/journal/39164)です。墓参と本堂での読経の後、午後5時前から夕ご飯でした。お檀家様(奥様)、住職など4人での食事です。

実はご高齢の方は栄養の不良な方が多いです。栄養の指標である血液のアルブミンの量が少ないです。また、赤血球数、善玉コレステロール、アルブミン値が低い人は、認知症の危険が高いことや、寿命が短いことと関係しています。「50歳を過ぎたら粗食をやめなさい」というご本(東京都健康長寿医療センター研究所新開省二副所長)もあります。ちなみに、今回の夕食は、(健康長寿のために)牛ほほ肉の赤ワイン煮をご相伴しました。

白ワイン フレンチパラドックスの効果はないのでしょうか?

白ワイン フレンチパラドックスの効果は本当にないのでしょうか?

赤ワイン煮!!ところで、フランス人は喫煙率が比較的高く、飽和脂肪酸・動物性脂肪の摂取量が多いにもかかわらず、心疾患による死亡率が低いというフレンチパラドックスの理由として、赤ワインに含まれるポリフェノールが作用していると言いますね。本当でしょうか?最近は、飽和脂肪酸・動物性脂肪が心疾患の原因であるというフレンチパラドックスの前提がかなりあやしいと言われています。釈尊(お釈迦様・ブッダ)の教えと異なり、科学の分野は、なかなか真理が見えませんね。なお、お檀家は赤ワインを(食欲の増進剤として)ワイングラスに2cm!ほど頂きました。赤ワインとはいえ、飲み過ぎは禁物です。アルコールは確実に癌の頻度を上げます。おだやかで平和な一日でした。

赤ワイン フレンチパラドックスの効果があるのでしょうか?

赤ワイン フレンチパラドックスの効果があるのでしょうか? 最近、効果を疑う異説が多いです

次回の4月23日(施餓鬼会)と、次々回の11月の第1土曜日の「福性寺健康長寿講演会」には、栄養に関する講演を依頼するつもりです。

そのおりには、是非ともご聴講下さい。外出は認知症の予防効果があると言われています。


2018年10月16日

恒例でございます毎年秋の合同講演会を開きます。福性寺主催健康長寿講演会堀船郷土史を語る会(堀江毅会長)主催歴史講演会です。例年通り、参加費無料・どなたでも参加頂けます。皆様のご参加をお待ちしております。

平成30年11月10日(土曜日)午後1時開場 2時から第6回福性寺主催健康長寿講演会 演者:東京都健康長寿医療センター研究所部長 粟田主一先生 演題「認知症とともに暮らせる社会に向けて」(認知症は社会全体・町全体で取り組むべき疾患であると言われて久しいです)

2時50分から3時10分 休息 シンセサイザー演奏:問矢真美様 抒情歌「朧月夜」など

3時10分 第7回堀船郷土史を語る会主催歴史講演会 演者:北区立中央図書館地域資料専門員 保垣孝幸先生 演題「江戸時代の梶原堀之内村」(註 梶原堀之内村は現在の堀船1-3丁目です)

4時から4時10分 追加発言:福性寺住職 「白山神社の奉納日本刀について」

「堀船郷土史」と「講演会の新聞チラシ」

「堀船郷土史平成増補版」(500円)と今回の講演会の新聞チラシ

 


2018年10月11日

最近、33回忌法要を行いました。都内の主要駅のすぐ近くに事務所を構え、一時はその駅前でレストランも経営していた方が、昭和の終わりに亡くなりました。

この法要にちなんだお話です。もう約60年も前のことです。この方がお寺の檀家になろうと、お寺を探していたらしいのです。広い意味での真言宗新義派(真言宗豊山派・智山派、新義真言宗、以下広い意味での新義派)所属のお寺で、住職が学僧である寺が、この方がお檀家になりたいお寺の条件でした。たくさんの僧侶に、この2点を満足するお寺をお尋ねになったらしいのです。というのは、ご出身が佐賀県であったためです。なぜ、佐賀県出身であると広い意味での新義派のお寺のお檀家になりたいのでしょうか?この方が興教大師・覚鑁師(こうぎょうだいし・かくばんし1095-1144年)の出身地・佐賀県鹿島市(新義真言宗誕生院)の近くのご出身であったためでした。わかりましたか??興教大師は真言宗の中でも、広い意味での新義派の基礎を創った方です。つまり、郷土出身の興教大師に強いあこがれの気持ちを持ち、「興教大師のご宗旨(広い意味での新義派)」のお寺を探していました。また、興教大師は、お大師様(弘法大師)以外では、「唯一の真言宗の哲学者」と言う人もいます。また、常に教学(自らの宗旨を研究する学問)に没頭していたことから「学問のほとけ」と興教大師をお呼びする人もいます。まさに、学僧の中の学僧です。

福性寺の興教大師様(ご本尊様左)学問のほとけ 明治維新直後の上地令文書(明治4年・1871年)にも記録があます お招きして200年となります

南無興教大師 福性寺の興教大師様のお像(ご本尊様左)「学問のほとけ」様です 明治維新直後の上地令文書(明治4年・1871年)にもお像の記録があます 記録によるとお像を福性寺にお招きして約200年近くとなります 毎朝ご本尊様お大師様と同様に献茶をしています

たまたま、福性寺の先代住職がサンスクリット語(梵語)の仏教経典の研究者であり、シルクロードのオアシス国家(ウテン=ホータン国)の言語を解読し、生涯で8冊の研究書をなしていました。このため、この方の目に留まったようです。さらに、先代住職は真言宗豊山派の学頭・勧学(学僧最高位)でした。以上からか、わざわざ国鉄(現在のJR線)で、なん駅も乗って、さらに駅から離れた貧しい(=お檀家が少なく資産のない)福性寺のお檀家になりました。本当に有難いですね!

こちらのお檀家は、福性寺では「興教大師にご紹介頂いたお檀家」ということになっています。この方にお檀家になって頂いたことは、興教大師の教学の大恩に加え、さらに「目に見える大恩」ですね。

ちなみに、真言宗豊山派のお寺では、毎朝、本堂で読経の最後に、南無大師遍照金剛 南無興教大師 南無専誉僧正と3回ずつお唱えしています。

機会を見て、先代住職のサンスクリット語の恩師である荻原雲来教授(大正大学教授)と同僚であり恩師である久野芳隆教授(大正大学・台北帝国大学教授)について書きます。いずれも、ドイツ語やフランス語に優れ仏教学・サンスクリット経典を研究した皆様で、学僧の中の学僧です。


2018年10月4日

京都大学の本庶佑先生がノーベル医学生理学賞を受賞されました。素晴らしいです。

最近、医学関係の学会や研究会に出かけることが少なくなりました。知識欲が減退しています。進歩を知りたいと思わなくなりました。さすがに、年齢を考える毎日です。古来から言われている「少欲知足」ではなく、単なる老化現象?ですね。

ところで、財産や権力に対する欲望と、知識欲は異なっていると思います。仏教では、人に害を与えるための知識を得ることなく、人の役に立たない知識を避けることや、膨大な知識があることよりも、知識は少なくても、それを実践することにこそ、意義があると考えられていると思います。つまり「利他」のための知識をすすめています。以上の考えは、釈尊(お釈迦様・ブッダ)の初期の経典・物語などにも、多くあると思います。本庶先生のお話・インタビューをお聞きしますと、利他の精神があふれています。

最近のネットの中には、人を害する知識がかなりあります。これは残念ですね。

今朝のご本尊様 大型のランの鉢は石井家が奉納 内陣の左脇には左から上東野昭良師、鳥居敬誉猊下右脇には田久保周誉師

今朝のご本尊様 大型の胡蝶蘭の2鉢は石井家が奉納 内陣(ご本尊様のおいでになる周囲)の左脇上(写真)は左から上東野照良師(大正時代後期の住職)、鳥居敬誉猊下(戦前の住職) 右脇には田久保周誉師(戦中から昭和・先代)

住職の身近な職業である医師や看護師などが学会・勉強会など(非常に多く頻回です)に参加して学ぶことは、よりよい診断・治療や看護のためです。まさにこの考えの範囲、実践のための知識であり(利他)、仏教のすすめる知識であると思います。利他のための知識欲は、「大欲」でよいですね。

機会をみて、医師や看護師の給与や手当てについて書きます。


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